実は、私がこの「微信公众号」を始めた理由のひとつに、「日本と中国のすれ違いを、ほんの少しでも減らしたい」という思いがあります。
文化や歴史、習慣の違いによって、互いに誤解してしまうことは少なくありません。
でも、実際に知れば「なんだ、そういうことだったのか」と思えることもたくさんあります。
このアカウントを通して、日本のことを少しでもわかりやすく、中国語で伝えていくことで、
小さな橋渡しになれたら嬉しいなと思っています。
例えば日本の飲食店を取り巻く、見えにくい“苦しさ”
外国人観光客が増える中で、マナーや文化の違いが話題になることもありますが、日本側の事情や背景についても、もう少し理解が必要ではないかと思います。
実は、日本の飲食店には構造的な厳しさがあります。
日本の飲食店は“儲からない”?
日本の外食は、外国と比べてとてもリーズナブルです。
「安くて美味しい」ことは日本の魅力でもありますが、その分、店側の利益が非常に少ないのが現実です。
加えて、チップ文化もないため、どれだけ良いサービスを提供しても、追加収入にはつながりません。
つまり、「お客さんがたくさん来てくれないと成り立たない」という構造になっています。
実際に聞いた、あるレストランオーナーの声
以前、仲の良いレストランのオーナーと話をしたとき、こんなことを言っていました。
①「うちみたいな小さな店は、料理と一緒に飲み物も注文してもらわないと厳しい。最近は料理だけ注文して、無料の水だけで済ませるお客さんが増えてるんだよね…」
②「最近外国人のお客さんが増えているけれど、他店の食物、飲物を持ち込んでくるんだよ」
③「外国人のお客さんが複数で来て1品しかオーダーしなくて。。。。」
それから数年後、①のお店は残念ながら閉店してしまいました。
明示できない、日本の「遠慮文化」
欧米のように
「飲み物の注文をお願いします」
「1人1品の注文をお願いします」
「席のご利用は○○分までです」
…と明確にルールを示すことが、日本ではなかなか難しいとされています。
明確にルールとして書いてないけれど②他店の飲食物の持込。③の1品を複数でシェアする事は日本ではマナー違反です。
これが日本の“美徳”である反面、経営側にとっては大きな負担になっているのです。
誰も「悪者」ではないからこそ、難しい。お客さんは悪気なく水だけで過ごしている。
お店側も強くは言えない。
でも、経営は厳しい――。
こうした状況を目の当たりにすると、「誰が悪い」と言い切れない難しさを感じます。
だからこそ、私たち一人ひとりが、少しだけ“お店側の事情”にも目を向けてみることが、飲食文化を支える一歩になるのではないでしょうか。
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